マルチタイムフレーム分析とは(MTFとは)
マルチタイムフレーム分析(MTF)とは、異なる時間軸のチャートを見て、現在の相場状況
やトレンドを把握したうえで、エントリーポイントを探る分析法です。
短期・中期・長期等のトレードスタイルに関係なく必要とされる重要な基本分析法です。
この分析法は簡潔に表現すると上位の時間軸(長期の時間足チャート)を見ながら、
下位の時間軸(短期の時間足チャート)でタイミングを取ってエントリーします。
長い時間足のトレンド方向に、その後も進む確率が高いという点に優位性を持たせています。
※なお、エントリーポイントを探すには、サポート・レジスタンス等のライン分析の
知識とダウ理論の知識が必要になります。
マルチタイムフレーム分析のメリットは、単一の時間のチャートだけでトレードを
するよりも、複数の時間チャートを見ることで、視野が広がり、全体を見ながら
良いポイントを探せる点にあります。分析は主に以下の手順で行います。
1.上位足から相場環境を見る
相場環境を把握する為、長期のチャートから中期・短期チャートの順番で分析していきます。
なお、使用するチャート期間は、次の足がよく利用されます。
長期チャート:日足、4時間足
中期チャート:1時間足、30分足
短期チャート:15分足、5分足
全体のトレンドを把握
日足→4時間足→1時間足→15分日足のチャートを確認。
全てのチャートが下降トレンドなら、下降トレンドが有利と判断します。
日足→4時間足が下降トレンドで、1時間足が15分足がレンジ状態の場合、
ダウ理論で判断します。下降トレンド有利との判断になると思います。
日足→4時間足が下降トレンドで、1時間足が15分足が上昇トレンドの場合、
ダウ理論で判断しますが、明確なトレンド方向が出てくるまで、
しばらくは様子見となります。
↑上昇トレンド有利の判定は上記の逆となります。
この時点で、今、相場を引っ張っているのは、どの時間軸かを把握しておきましょう。
1時間足が引っ張っている、15分足が引っ張っているなど・・・
上位足(4時間足・1時間足)の勢いを確認
大きい時間足がサポートラインやレジスタンスラインに差し掛かっていないか、
ボリンジャーバンドの収縮ラインの開閉状況、ダウ理論の高値・安値の継続状況、
移動平均線の角度、RSI等のオシレーターの状況を確認する事で、
上位足の勢いと方向性を確認します。
上位足の勢いや方向性が、下位足の動きに波及するので、上位足の将来を含めて
考えておくという事です。
全体のトレンドが一致しない場合
4時間足ではレンジ相場、1時間足が下降トレンド、5分足では上昇トレンド
といったバラバラな状況はよくあります。
上位足~下位足まで一貫性がなく、明確な方向性がわからない時は様子見です。
当然、4時間足や1時間足が下降トレンドの時に、5分足が上昇している事を理由に
「買いポジション」を持つことはありません。
大きなトレンドに逆らわないという点が大変重要です。
上位足の勢いが無くなってきている、サポート・レジスタンスラインを
突破できそうにないなど、先行きが不透明な場合も、様子見でOKです。
明確な方向性が確認できてからエントリーを考えます。
2.下位足でエントリーポイントを探す
上位足の相場環境分析で、現時点のトレンド方向が確認出来た場合、
15~5分足でタイミングを計って「エントリーポイント」を探します。
タイミングの計り方は以下の2通りあります。
①サポート・レジスタンスのラインを越えた時にエントリー
チャートの進む方向に、小さめのサポートラインやレジスタンスラインがある場合は、
「買い」は、レジスタンスを越えた時、「売り」はサポートラインを越えた時に、上位足と同じトレンド方向にエントリー。
②価格が直近の足から半値以上の押しがあった時、
チャートの進む方向に、サポートラインやレジスタンスラインがない場合は、
価格が直近のローソク足から半値以上押してきたに、上位足と同じトレンド方向に
エントリー。相場はより大きな時間枠のトレンドの影響を受けながら、
その方向に押し・戻しを入れながら動いていきます。
一方向に進み続ける事はありませんので、戻ってきた時のタイミングを狙います。
3.マルチタイムフレーム分析(MTF)のポイント
上位足の流れには逆らわない!!
大きい時間足ほど強い方向性があります。
日足 > 4時間足 > 1時間足 > 30分足 > 15分足
の順に勢いが強くなります。
例えば、日足・4時間足で上昇トレンドならば、1時間足が下降トレンドでも、
上位足の流れに逆らえず、やがて上昇トレンドに転換する可能性が高いという事です。
その他
MTFで利用する時間足は、短期トレードの場合は、
一般的に以下の時間足が利用されています。
1分足トレードの場合:5分足~30分足
5分足トレードの場合:30分~2時間足
15分足トレードの場合:1時間~8時間足
ひとつのチャートでMTF分析を表示するには
ここでは、15分足のチャート図にMTF分析の要素の一つ4時間足・1時間足の
移動平均線を表示させる方法を紹介します。
まず、15分足チャートに移動平均線を追加します。移動平均線は20期間平均を
指定しているものとして、この移動平均線の期間に、1時間=15分×4倍、
つまり、20期間×4=80期間を指定する事で、1時間足の移動平均線を
描くことが出来ます。
さらに追加で、4時間=15分×16倍、つまり、20期間×16=320期間を
指定する事で、4時間足の移動平均線を描くことが出来ます。
チャートを見てみると、15分足の上位足の移動平均線が表示され、かなり相場状況
が見えてきたのではないでょうか?
同様の方法で、上位足のボリンジャーバンドやMACDを表示させるのも有りです。
※この表示方式は、ローソク足が移動平均線やトレンドラインをタッチする時に
仕掛けるなど、エントリータイミングを計る時に便利です。
【テクニカル分析・目次】
》》1.移動平均線分析
》》2.ボリンジャーバンド分析
》》3.MACD分析
》》4.RSI分析
》》5.ストキャスティクス分析
》》6.マルチタイムフレーム分析
》》7.マルチタイムフレーム分析(上昇トレンドと下降トレンド)
》》8.FX攻略のエントリーポイント一覧
》》9.チャート晩・FX攻略のエントリーポイント一覧