MACD分析

MACD紹介

MACDとは

MACD(マックディ)は「Moving Average Convergence/ Divergence Trading Method」
の略称で、日本語で「移動平均・収束拡散トレーディング手法」といいます。
ニューヨークのジェラルド・アペル(Gerald Appel)により、1960年代に開発された
テクニカル分析です。名称の通り移動平均線の発展系とされています。

MACDは、2本の長期・短期の指数平滑平均(EMA)の開き具合を、MACDライン、
ヒストグラム、シグナルラインの側面から分析し、相場の勢いや状況、トレンド発生・
トレンド転換を表すツールです。
通常の移動平均線より反応が早いという特色があります。

指数平滑移動平均(EMA)とは、新しい価格のほうが、より相場に大きな影響を与えるという考えに基づいて、平均を取る期間の新しい価格ほど比重が高くした計算する方法です。

MACDの見方

MACDの見方

MACDは、MACDライン、シグナルライン、ヒストグラムの3つから構成されています。

MACDライン
MACDラインは、短期移動平均線と長期移動平均線の差(pips)です。
上のチャート図のMACDのところにパラメータ、(12,26,9)が表示されていますが、
これは、短期移動平均線の期間が12コマ、長期移動平均線の期間が26コマで、
この2つのpipsの差を繋いだ青い線がMACDラインという意味になります。
[MACDラインはツールによって表示されない場合があります]

シグナルライン
シグナルラインは、MACDラインの移動平均をとったラインです。
上のチャート図のMACDパラメータが(12,26,9)ですので、最後の9コマから計算します。
ここではMACDラインの9期間の移動平均が赤い線として表示されています。

ヒストグラム
ヒストグラムは、MACDライトとシグナルラインを差を表示しています。
ヒストグラムは反応が早いオシレータとして利用出来ます。

MACDはシグナルラインとヒストグラムを見て相場の状態を把握するツールです。

MACDの使い方

MACDの使い方1

上の図は下降トレンドにMACDを表示させたものです。
赤のラインはシグナルラインですが、このシグナルラインがヒストグラムと交差した後に
しばらくしてから、下降トレンドは終了し、レンジ相場を経て上昇トレンドに転換しました。
[このチャートにMACDラインは表示していません]
ここから何が読み取れるでしょうか?

シグナルラインが下方向に進んでいる=> 短期移動平均線が長期移動平均線を大きく
引き離し、下落の勢いが増している。
                   ↓
ヒストグラムのマイナス領域が拡大から縮小に転じた=> 短期移動線と長期移動線の
差が縮まった。やがてシグナルラインの勢いをより小さくなった。
                   ↓
ヒストグラムの領域が狭くなり、シグナルラインの勢いもなくなった。
やがてトレンド転換した。

このチャート図の場合、価格だけを見ていると方向性がなく、どちらに動くか分からない状況
ですが、MACDでは上に向く確立が高いと出ていました。
特にヒストグラムが縮小した時点でトレンド継続に黄色信号が出ていた状況でした


MACDの使い方2

上の図は上昇トレンドにMACDを表示させたものです。
シグナルラインがヒストグラムと交差した後にしばらくしてから、上昇降トレンドは終了し、
下降トレンドに転換しました。
ここからは何が読み取れるでしょうか?

シグナルラインが横ばいと上方向を漂っていた=> 短期移動平均線と長期移動平均線が一定
の差を持ちつつ、上昇していた。
                   ↓
ヒストグラムのプラス領域が拡大から縮小に転じた=> 短期移動線と長期移動線の差が
縮まった。やがてシグナルラインの勢いをより小さくなった。
                   ↓
ヒストグラムの領域が狭くなり、シグナルラインの勢いもなくなった。
やがてトレンド転換した。

ヒストグラムが縮小した時点でトレンド継続に黄色信号が出ていた状況でした

MACDのダイバージェンス

MACDの使い方4

ダイバージェンスは逆行の意味で、MACDのダイバージェンスとは、
①高値圏でレートが高値更新しているにも係わらず、MACDは下げトレンドである。
(上昇トレンドは継続しているが、買い勢力が弱まりトレーダ達の心理は弱気に向いている)
②底値圏でレートは安値更新しているにも係わらず、MACDは上げトレンドである。
(下落トレンドは継続しているが、売り勢力は弱まりトレーダ達の心理は強気に向いている)
この2つの現象をいいます。

MACDの使い方3

高値圏・底値圏のMACDのダイバージェンスは、トレンド転換を示唆します。

MACDの注意点

MACDの使い方5

MACDはテクニカル分析の知識が有る人には、かなり使い勝手のよいですが、
以下の弱点があります。
①トレンド相場のみ機能する。レンジ相場では正しい分析が出来ず使えない。
 従って、大局的に見て優位性のある方向しか利用できない。
②じり高、じり安のトレンドが継続する場合も正しいシグナルが出ない。


MACDパラメータについて
FX証券会社等から提供される表示ソフトには、上記のMACDラインのパラメータ
として、短期・長期2つの移動平均線の期間、シグナルラインの平均期間の3つを
指定する箇所があります。

通常、FX証券会社の提供ツールを使うと、指定期間に12,26,9が定数として
入っていますが、この期間は、主に株式の日足用の設定です。トレードスタイルや通貨
に合わせて変更する必要があります。

MACDのパラメータ

MACDのパラメータ

MACDをメタトレーダー等で表示させると、以下のパラメータを指定できます。

短期期間:短期間の移動平均線の期間[コマ数]を指定します
長期期間:短期間の移動平均線の期間[コマ数]を指定します
シグナル:上記2移動平均線の差の移動平均線期間を指定します。

MACDのマルチタイムフレーム(MTF)設定

移動平均線の期間20MAと合わせる事を前提とした場合

5分足チャートの場合:
・5分足 と1時間足のMACDは、短期:20、長期:240、シグナル:9
・15分足と1時間足のMACDは、短期:60、長期:240、シグナル:9

10分足チャートの場合:
・10分足と4時間足のMACDは、短期:20 、長期:480、シグナル:9
・1時間足と4時間足のMACDは、短期:120、長期:480、シグナル:9

15分足チャートの場合:
・15分足と4時間足のMACDは、短期:20、長期:320、シグナル:9
・1時間足と4時間足のMACDは、短期:80、長期:320、シグナル:9

1時間足チャートの場合:
・1時間足と日足のMACDは、  短期:20、長期:480、シグナル:9


上記以外に考えられる数値は・・・
多くのトレーダーが注目値:10、20、25、50、75、125、150、200
フィボナッチナンバー  :13、21、34、55、62、89、144、233
一目均衡表の基本の時間 :9、17、26、33、42、65、76、129、172
が一般的と思われます。
これらのなかで、利用するチャートの時間軸に合ったものを選びましょう。

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【テクニカル分析・目次】
》》1.移動平均線分析
》》2.ボリンジャーバンド分析
》》3.MACD分析
》》4.RSI分析
》》5.ストキャスティクス分析
》》6.マルチタイムフレーム分析
》》7.マルチタイムフレーム分析(上昇トレンドと下降トレンド)
》》8.FX攻略のエントリーポイント一覧
》》9.チャート晩・FX攻略のエントリーポイント一覧


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